地域仮想通貨 富士市編

月刊仮想通貨9月号vol.18 2019年7月20日(土)発売号より

月刊仮想通貨本誌の編集・記事執筆を手掛ける小村海の記事を月刊仮想通貨公式サイトにも掲載。
毎週木曜日に更新予定となっております。

前回(地域仮想通貨 木更津市編)

◆富士市 ネコバン

東京都心から西に約130キロ。富士山の裾野にある静岡県富士市の吉原商店街を舞台に、2016年9月~17年1月に導入された電子クーポンが「ネコバン」だ。

「ネコバンの導入をきっかけに、商店街のメディア露出が増え、相乗効果で観光客も増えている。ITに近しい若手経営者が台頭し、世代交代も進んだ」
吉原商店街振興組合の内藤勝則理事長は振り返る。
静岡銀行などが、ITを活用した金融サービス「フィンテック」で街おこしができないかと、株式会社Sound-FinTech(東京都千代田区内幸町)に提案したのが導入のきっかけ。富士市が開催地に決まっていた「ご当地グルメでまちおこしの祭典! B-1グランプリ」が迫っており、ネコバンを来場の呼び水とする方針も決め手となった。16年9月に同社のプライベートブロックチェーンの技術を活用して実験的に運用が始まった。
歴史が古い吉原商店街は保守的な土地柄で当初、店舗側の受け入れが滞っていたが、商店街の若手経営者らの奮闘で浸透。スタート時に十数店だった導入店舗は最終的に24店に増えた。一部店舗では商店街の特定のスポットでポイントが付与されるサービスの効果で、観光客などの周遊が促された。
ネコバンは地域の活力向上の手段として機能した一方、自治体の協力を得られず、実導入に至らなかった。持続性と地域の連携という点で課題が残った。
それでも、Sound-FinTechの土屋清美社長が「ブロックチェーンが地域通貨に実装できるという自信が持てた」と語るように、確かな実績が残った。実証実験から2年が経ち、開発も進んだ。ネコバンに代わる新たな地域仮想通貨が富士市で誕生する日は遠くないのかもしれない。

今週はここまでとなります。
本文は月刊仮想通貨9月号vol.18に全て掲載されていますので、是非下記リンクにてお買い求めください。

Profile
文◉小村海(おむら・わたる)
1990年生まれ、島根県出身。
山陰地方の新聞社で記者として5年勤務した後、仮想通貨に魅せられ、仮想通貨記者に転身。
現在は月刊仮想通貨本誌の編集と記事執筆を手掛ける。

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