Vol.21 リップル信者・鈴木 宙の「仮想通貨500万円が50万円になりました」

〜来年は仮想通貨の500万円を1000万円にするぞ!〜

僕は、知る人ぞ知るライターである。ウソでも仮想でもない。
何万人と言われているライターの中では有名な方だ。
業界の人と名刺交換すると、「あの鈴木宙さんですか?」と、言われることも少なくない(ちなみに鈴木宙は、このコラム用のペンネームです)。
サイン会もしたこともあれば、トークライブも何度もしたことがある。テレビにも何度も出演したことがある。
数年前、最盛期には10本以上も雑誌に連載を持っていた上、芸能人のキャスティングもやっていた。
しかも、大手出版社の雑誌で書いていたので原稿料が、信じられないくらい高かった。
一度、とあるアイドルの一週間密着取材をしたら、原稿料が120万円だった。
これまで最高でライター収入は年収1500万円である。

それが、それが…ここからは人生における仮想通貨のような乱高下の激しい話である。

あれは2年前の10月、そうリップルが価格(XRP)、徐々に上昇を見せていた頃だ。
ある日、父からきた電話でこう言われた。
「妹のためにもウチの会社に就職してくれ!」
…というのも、当時、妹は両親が慶応大学で教授をしている男性と交際していた。
その男性も大学病院で医者をしている、いわゆる名家だ。
父が電話でいうには「ウチの家庭を探偵使って“ヘンな奴“が家族にいないか内偵しているっぽい。とりあえず、◯◯◯(父が役員をしている中小企業)に入社して、会社員ということにしてくれ」と頼まれた。
実は僕、30を過ぎても就職したことがなかった。学生時代からライターをしていて、そのまま月日は流れていった。
父からの依頼に、一度は断った。
でも、僕のせいで妹の結婚が破談になるのは親として辛かったのだろう。それ以来、毎日、電話が来て、僕も疲弊し、父の会社に入ることになった。そこまで、僕は父にとって“ヘンな奴扱い”されていた。
というのも、大学を出てから、お金はあるだけ使っていた僕は、30も過ぎながら毎月の仕送り10万円をもらっていたのだ、それもあって断り切れなかった。
父の会社では、「総務課でパソコンからの注文を受ける作業だけでいいから…」と言われていた。よほど、僕のことをできない奴と見ていたのだろう。ま、ダメ人間なのは自覚しているが。
父が常務を務める会社は、品川にある中小の物流会社である。
ま、僕はパソコンで受注を受けるだけだし、僕にでもできるだろう。と、気軽に構えていた。

しかし中小の物流会社…そこは僕にとって地獄のような会社だった。
(喫煙は当たり前。タトゥーが入っている人間もいる。飲酒運転も気にしない。昼休みに話す話題はギャンブルと風俗…)
僕もクズだが、僕以上にクズの集まりだった。

物流と言っても、いろんな種類があるが、いわゆるア●ゾ●の倉庫みたいなところだ。(注:ア●ゾ●ではない)。
しかも、僕が配属された「物流課」は朝5時半が「定時」という、誰が起きているんだという時間。
その数週間前までは朝まで六本木のキャバ嬢とアフターでイエイ・イエイ・ウォウ・ウォウして帰宅する時間が朝5時半だった。

しかし、父の会社に入社早々、大量の退職者が出て、僕は力(腕力の方)もないのに、若いというだけで物流の現場に配属させられた。
退職者の続出で「どうしたものか」と社内会議で、求人サイトやタウンワークで募集をかけたが、すぐ集まるわけではない。
そしたら父の会社の専務が、「鈴木君も、いろんなことを経験した方がいい」と余計な一言を発言し、毎日、朝5時半から17時まで倉庫番をやることになってしまった。
最初は、求人が落ち着いたら元の部署に戻るという約束だったのに、物流課の課長(48)が「1週間じゃ仕事は覚えられない。最低1年はここにいてもらう」と言ってきた。
「え? 緊急で僕は呼ばれたんですけど」と言ったら、「会社の人間は倉庫のことをあまり知らん。君には覚えさせる。お前は物流を全く知らん」と偉そうに言ってきた。

父の会社は、ホワイトカラーの部署と物流部署の仲が悪い。原因は知らないが。
その課長は、僕が倉庫番は不適職なのを知りながら、底意地の悪さで僕を「鈴木を総務課から物流課に異動させてくれ」と専務に伝えた。
専務は現場上がりの人間なので、ホワイトカラーの仕事は、よく思っていなかった。そこらへんが物流課の上司と馬が合い、この2人はよく飲みに行っていた。
しかも、父と専務は仲が悪かった。
多分、「ここで父への仕返しを息子の僕にしようと思ったのだろう」。すでに求人で人が集まったのに、専務が「それはいい案だね。1年は最低、現場にいないと。近々、フォークリフトの免許も取ってもらうから」と言われた。

「フォ、フォークリフト!?」…それを聞いて頭が真っ白になった。
「フォークリフトを知らないで、物流の何が分かるのか!」と専務はドヤ顔で言ってきた。あの顔に殺意を覚えたのは今でも忘れない。

別に職業差別ではない。単にフォークリフトをやりたくないだけだ。人は、やりたい仕事とやりたくない仕事があるのは当然のことである。
無理やり会社に入れられ、さらにはヘルメットをかぶってフォークリフトで重たい商品を運ぶなんて1月前、六本木で「イエイ・イエイ・ウォウ・ウォウ」してた自分には思いもしなかった。僕も、そんなことをしたくて大学を出たわけではない。

あんま仕事のことを父に相談したくなかったが、「フォークリフトの免許を取らされるなら辞める」と言った。
そしたら、「専務が取引先からの入金をキックバックしていることが数日前に発覚した。自己都合で退職になるから、その時に戻すから」と言ってきた。

しかし…なんと、専務は退職したが、今度は課長が、仕事中、とにかくネチネチ嫌味をいうようになってきた。ただ、この課長は地下アイドルファンで、仕事が忙しい日も、会社の有給を使って北海道から沖縄まで追っかけをしていた。
ある時の昼休み、課長がスマホで見ていたものをチラ見して驚いた。
昼休みに、追っかけしている地下アイドルのツイッターにコメントを打っていたのである。
その時、課長の追っかけしている地下アイドルが判明した。挙句に、課長のツイッターアカウントも判明した。
それを読んだら、風邪を引いたと言って休んだ日も、路上ライブを観に行っていたことが分かった。

僕は、課長のツイッターアカウント、そしてズル休みしたことを社長と父にスクリーンショットで何枚も送り、勤怠表も送信した。

結局、翌日、課長は社長に詰められ、3ヶ月の停職処分となり辞めて行った。

これが2年前の12月下旬の出来事だ。
僕は専務と課長のパワハラでかなり精神が病み会社を休職した。
ちょうどその時、かなり仮想通貨がグングンと上がり、ノイローゼ気味だった僕はリップルを中心に有り金全部をはたいて、せめて3倍にしようと思っていた。それで1年くらいは楽に暮らそうと思っていた。
そしたら、1月の中旬から仮想通貨がどんどんと下落。最後にはコインチェック事件で、大撃沈。そこから塩漬けしていたら「仮想通貨500万円が50万円」になってしまいましたとさ。

でも、僕は諦めない。たとえクズだとしても!
今日、この時間も世界では暗号資産やブロックチェーンの開発が進んでいる。法整備がどんどん進み、来年こそ仮想通貨が浸透することを願う。
みなさん、良いお年を!

Profile
文◉鈴木 宙(すずき・そら)
アメリカ・ワイオミング州で幼少期を過ごす。小学生の時、誕生日に買ってもらったマッキントッシュでプログラミングに目覚めるも、親の事業の失敗により日本に帰国。それ以来、原稿は手書きで書くのが信条。
小学生の時に市内のポートボール大会で優勝し、この競技で世界一を目指すことを決意する。
しかし、中学にはポートボール部がなく、バスケ部に入るも仮入部の段階で突き指をし、部活を断念。演劇部に入る。
とはいえ、演劇部には僕1人しか部員がおらず、3年間1人芝居を余儀無くされる。高校卒業後は、演技の勉強をするためにハリウッドで修行。だが、お金が続かなくなり帰国。その後、3年間、かしわもち工場で、もちに葉を巻きつける仕事をして100万円稼ぐ。そのお金を元にアメリカ・ペンシルバニア州に再度ダンス留学。
このとき、路上でダンスの練習をしていたら、サトシナカモトと出会い仮想通貨に魅了される。でも、後にそのサトシは偽物の詐欺師だったと判明。「ダンサーズコイン」なる偽物の仮想通貨を数十万円買わされて無一文になり帰国。
色々あった後、「仮想通貨で失った金は仮想通貨で取り返せ」を信条にリップルに投資。しかし購入後、大暴落。だが未だにリップルの可能性を追い求めているリップラー。
現在はフリーのライターとして活動すると同時に「月刊仮想通貨デジタル」の記事編集、執筆を手掛けている。


Twitterアカウント→ @sora50050

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