第二回 元銀行員が推薦する、「仮想通貨×積立投資」の魅力

月刊仮想通貨vol.5 2018年6月23日発売号より

日本人は積立が好き、というのはあなたも聞いた事があるはずだ。
一発大儲けを狙うようなハイリスク・ハイリターン投資より、どちらかというとコツコツ積み重ねていくスタイルが好まれている。
今年1月にスタートした、NISA(少額非課税投資制度)の積立版である「つみたてNISA」も、そんな傾向を考えての制度だろう。
著者も銀行員時代、さまざまな運用商品を取り扱っていたが、積立なら投資初心者も受け入れやすい事を肌で感じてきた。
「積立=低リスクで始めやすい」という印象が、投資経験の浅い人にも後押しをしてくれるのだと思う。
そんな積立投資だが、実は何より仮想通貨と相性が良い事を、「仮想通貨×積立投資」の魅力としてお話していきたい。
初心者がまず知っておくべき投資における王道として、「分散×長期×積立」という3つのキーポイントがある。
「分散」はその言葉通り、投資対象をいくつも分ける事でリスクの低減を狙うというものだ。
仮想通貨に置き換えると、ビットコインと共に複数のアルトコインにも投資する事と言えるだろう。
「長期」は投資期間を長く見すえる事で、短期の価格変動に左右されずに、精神的な余裕を持つ狙いがある。
そして「積立」は、毎日や毎週、毎月など決まった間隔で買い続ける事を意味する。
相場に動きがあり、且つ長期的な値上がりが期待できる際には、一度にまとめて買うより購入価格を下げる効果が狙えるメリットがあるのだ。
ではなぜ積立こそが、特に仮想通貨投資に向いているといえるのだろうか。
あなたもご存知の通り、仮想通貨は価格の変動が非常に激しい。
買った瞬間に暴落してしまい、慌てて損切りした…という苦い経験は多くの人が味わっただろう。
まだ発展途上の市場であるため、相場が安定しないのは仮想通貨の特徴ともいえるが、一方で将来性に大きく期待できるのも仮想通貨ならではだ。
今後に目を向けると、仮想通貨がより普及し、実用化に向けて動いていくのは自然な流れであると言える。
投資商品として考えるならば、市場の拡大に比例して、値上がりが期待できるというわけだ。
つまり、値動きが激しく、且つ大きな将来性を秘めている仮想通貨こそ、まさに一定間隔で購入する積立投資が生きてくるといえる。
では、実際に積立には効果があるのか。
著者はZaif取引所にて自動で積立してくれる「Zaifコイン積立」というサービスを利用し、毎月4万円分の仮想通貨積立を行っている。
分散投資も兼ねて、ビットコイン(BTC)・モナコイン(MONA)・ネム(XEM)・イーサリアム(ETH)を月1万円ずつ積み立てている。
たとえば今年3月に積立していた分の4万円は、相場が落ち込んでいた際の買い付けが功を奏し、現時点では合計で6万円(+約50%!)と大きくプラスになった。
短期間で見た際の元本割れも、気持ち的に前向きに捉える事ができているのが、何よりの利点といえるだろう。
大きなトラブルが無ければ、年末に向けては総じて右肩上がりをするだろうというのが著者の予想であるため、今後の相場次第ではさらなる含み益も期待できる。

さらに、「仮想通貨×積立投資」の魅力はこれだけではない。
利益が出た際の税金計算も非常に楽になるメリットもあるのだ。
仮想通貨はまだ税金の整備が追い付いていないため、株式投資などと異なり、プラスの儲けが出た際には税金計算を自力で行う必要がある。
昨年分の確定申告でさんざん苦労した読者の方も多いと思うが、仮想通貨の税金計算にはそもそもいくらで買ったのかという「取得価額計算」があまりにも大変なのだ。
X円で購入し、Y円で売却、その後にZ円で買い増しして…と、自分がいくらで売買したのかをいちいち記録しておくのは、想像以上に手間がかかってしまう。
頻繁に売買を重ねている投資家こそ、特に頭を悩ませたはずだ。
仮想通貨投資に初心者が手をだしづらい、大きなハードルになっているといえる。
しかし積立投資なら、取得価額の計算は簡単だ。
なぜなら、毎月の積立額があらかじめ決まっており、且つ積立分を頻繁に売る事も無いからである。
なので、積立にかかったトータルでの金額を出して、あとは取得した数量で割るだけで基本的には済んでしまうのだ。
例えば月1000円のビットコイン積立なら、1年間で12000円となり、その結果として取得した数量が0.01BTCなら、12000円÷0.1BTC=1200000円(1BTCの取得価額)となる。
これは「総平均法」という計算方法になるが、積立なら税金計算がすぐ終わるというのは大きな長所と言えるだろう。
(ただし、「総平均法」は継続して適用する必要があるので注意したい)
最後に、実際の積立の始め方を話しておきたい。
ほったらかしの自動積立が理想だが、国内の大手仮想通貨取引所のサービスだと、現状はZaifの「Zaifコイン積立」のみだ。
毎日定額で買い付ける「ドルコスト平均法」という手法が利用でき、設定も簡単で手数料も良心的と言える。
ただ取り扱い銘柄が、先に挙げた4種類のみ(BTC ・MONA ・XEM ・ETH) とまだ多くは無いので、今後は他の仮想通貨取引所を含めて、積立機能の拡大を期待したい。
手動で行うのであれば、積立銘柄と金額の他に、購入頻度を自分で決める必要がある。
日々相場が動く仮想通貨市場を考えると、「毎日積立」を行いたくなるが、それだと手間が大きくなってしまうので、「毎週積立」か「毎月積立」のどちらかが良いだろう。
たとえば、毎週月曜日や毎月1日とルールを作っておき、後は機械的にコツコツ積立を行っていく。
投資期間が長くなれば、積立は毎日でも毎週でも毎月でも、リターンの差はほとんど無くなってくるので頻度はさほど気にする必要は無い。
大事なのは感情に左右されず、淡々と買い付けを継続していく事だ。
仮想通貨の持つ大きな未来に期待しながら、さっそく今から積立投資を始めておこう。

Profile
小林亮平
元メガバンク銀行員。
三菱UFJ銀行に3年9ヶ月勤務後、現在は仮想通貨ブログ「BANK ACADEMY」を運営。
月30万PV達成し、ソフトバンク系列のSBクリエイティブ社より電子書籍も出版。
銀行員時代は法人業務に従事、丸の内の本部経験もあり。
【著者HP】https://bank-academy.com/

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