プロトレーダ解析 vol.6

月刊仮想通貨vol.6 2018年7月23日発売号より

謎の現役為替トレーダーとして高い実績を誇るトシムリン氏が、独自の分析で仮想通貨市場を予測。
新年度の展望をデータを踏まえて解説!

先月号から今月までの振り返り

BTCUSDは取引高の減少に伴い、一時は$6000を割り込んで$5750近辺まで下落する格好となった。
BTCの下落に繋がる唯一のネガティブニュースといえば、金融庁が改正資金決済法の登録業者であるビットフライヤーやザイフなどの各社に管理体制やマネー・ロンダリング、利用者保護などに対する立ち入り検査を行い、仮想通貨交換業者6社に対して業務改革命令をを出したことが挙げられる。
金融庁の報告によると顧客獲得を優先し管理体制が追い付いてないケースが目立ち、一部の仮想通貨交換業者は反社会勢力との取引や顧客の資産を分別管理できてないなど多くの問題が見つかったという。
これを受けてビットフライヤーは口座開設など新規顧客の受け入れを停止する方針を固めたことを発表し、この影響で仮想通貨への新規マネー流入がしばらく起こらなくなるのではないかという思惑も働き、BTCは下げたものだと考えられる。
その他の目立ったニュースといえば、hitbtcを筆頭にHuobiやKucoinなどの大手海外取引所が相次いで日本人顧客の受け入れを拒否する方針であることを示したが、これはそこまでBTCの価格に影響を与えなかったものの、日本人ユーザーにとっては仮想通貨投資に対してやや消極的な姿勢になりそうな内容ではある。
その一方でBlockchain社が6月28日に機関投資家向けに総合的な仮想通貨投資サービスの開始を発表するなどして大口プレイヤーの入り口も増えてきているために日本はしばらくの間法規制の締め付けでネガティブニュースが出続ける可能性は高いが、欧米諸国では徐々に大口プレイヤーが参入してきてマーケットメイクされてくる展開が見込まれ、時間をかけてボラティリティーの変動幅が少なくなってくるだろう。
為替市場のようにマーケットが出来上がったあとは完全なるプロの市場になるために市場で生き残っていくためにはテクニカル技術が絶対的に必要になってくる。

相場を読み解くカギはパターン学習

ここ直近の動きは着目点さえわかれば比較的簡単に予測ができる相場だった。
トレーダーの中にはインジケーターを活用して今後の値段がどちらにいくかを予測している方も多いが、それではテクニカル分析は不十分だと言える。
テクニカル分析において大事なのは「過去のチャートパターン」と「現在の値動き」を見比べて今後の予測を立てていくことが大事で、その予測の副次的材料としてインジケーターを活用する分析方法がより好ましいと言える。
正にここ直近の下落動向はその「過去のチャートパターン」を「現在の値動き」に当てはめていくことで予測を立てることができた。

6月14日の安値~6月19日の 高値をつけた後の展開は(図1の②)5月29日の安値~6月3日の高値をつけた後のパターン(図1の①)を参考にすれば続落を予測できた形となる。①のパターンは高値をつけた後に、もう一段上の高値をつけて、その後はもう一度高値をトライするものの、その手前の高値を超えられずに高値の切り下がりが起こり大きく下落したパターンである三尊という形をつけた。
6月14日の安値~6月19日の高値をつけた後もその手前の高値を超えられずに高値の切り下がりが起こったために、この時点で①と同じパターンが来る可能性が高いと予測していたのが図1であり、図2がその後の展開となる。
この類似パターンに気づければ①もネックラインを割れると一気に大陰線をつけて下落したために、②も同様にネックラインを割れたら“ショート”という考え方がでるのだ。

また、その反対もほぼ同じパターンをつけています。5月26日~6月7日(a)、6月13日~6月21日(b)、6月23日~7月2日(C)これら3つも似たようなパターンが見られ、b・cの展開を予測するにはaを参考にすれば予測が可能だった。
a のパターンは最安値をつけた後に、もう一段下の安値をつけて、その後はもう一度安値をトライするものの、その手前の安値を超えられずに安値の切きり上がりが起こる逆三尊のようなパターンを形成した。
そして、安値を切り上げた後に高値をつけに行ったあとはフラッグパターンという調整パターンを付けて、そのフラッグパターンを上抜けてもう一段上の高値を付けにいった。
bとcもaと同じように逆三尊のような形を形成したために最安値をつけて、その後安値の切りあがりが起こり高値をつけて上値が抑えられた時点でフラッグパターンを形成するという予測を立てて、そのフラッグを上抜けたら“ロング”という考え方ができました。
6月23日~7月2 日(C)も最安値をつけた後、その手前の安値を超えられずに安値の切り上がりが起こりまして。
そして、高値を付けて上値が抑えられた時点で調整のフラッグが形成されると予測し、a・b 共にフラッグを上抜けしたために今回も上抜けするだろうと予測したものが図3で、図4がその後の展開となる。

フラッグを抜けて高値を付けた後のパターンも同じでその後はまた一旦調整が入り再度高値トライといった形になっているので、これもaの値動きを参考にしてbとcでも調整が入ったら直近の高値までロングという考え方もできる。
どこまで調整が入るかは、過去の事例を参考にしつつも、実際はその手前の陽線の実体の大きさとフィボナッチで判断する必要がある。
上昇の時も下落の時も同じ考え方にはなるが、その手前のローソク足の実体が大きければ浅い戻し、小さければ深い戻しになるというのが基本的な考え方になる。
図5を見て頂ければわかる通り結果としてa・b・c はほぼ同じパターンを形成した。
このように「過去のチャートの値動き」からパターンを見つけて、現在の値動きに当てはめることが今後の展開を予測する鍵となる。
今回は実際に私が立てていたプランを事例に“値動きのパターン”を活用したトレード戦略の考え方をご紹介しましたが、インジケーターを活用しても同じようなパターンを発見することができる。
「歴史は繰りかえされる」という言葉がありますが、この言葉は市場でもよく当てはまる。
これは技術やマシーンは進化しても人間の心理は変わらないという現れでもあり、こういったところに相場を読み解く大きなヒントが隠れているのだ。

今後の相場予測

BTCは巷の噂や著名人などにより年内に$20000超えや$50000超えなどと囁かれていますが、現在の市場をテクニカル観点だけでみるとそのような展開はかなり厳しい気が感じられる。
私の予測は元より年内は$6000~13200であり、上昇したとしても$13200近辺までが限界なのではないかと考えている。
現段階では$13200の前に$10000の壁を超えるのもかなり厳しいような展開が見込まれており、年内は時間をかけて$10000近辺まで行けばいい方なのではないかと予測している。
最悪の場合は$4200近辺まで下落する可能性もまだ消せないために注意が必要だ。
今回は何とか$5642~6008でサポートされて大きく上昇反発はしてきたものの、まず目先には$6719~6864という大きな壁があり、このポイントではバットパターンと言われる反転パターンもあり、価格帯別出来高も多く伴っているために超えるには何か材料が必要となってる。このポイントを終値ベースで上抜けできれば$7486~7630近辺までは比較的素直に上昇できる可能性はありますが、$7486~7630でも大きな壁があり、$10000近辺までは超えなくてはいけない大きな壁がいくつも存在するために、上昇していくにしてもかなり辛い展開が見込まれる。
非常にざっくりとした予測ではあるが$6000は割らないのを前提で予測すると個人的には図6のように$6000~10000近辺のレンジでしばらくの間は推移せざるおえない状況だと考えられる。
仮想通貨市場はまだBTCが基軸なためにBTCも下がると他のアルトも下がってしまうので、この状況だとアルトも売買を繰りかして差益を抜いていく方が効率的だと言えるために“ガチホ”の方もテクニカル学習の方にシフトしていくことをお勧めする。

Profile
トシムリン
トレード歴13年の謎の現役為替トレーダー。
2016年後半にイーサリアムに可能性を感じ、仮想通貨投資を開始。
独自のテクニカル分析に基づき、多くのアルトコイントレードも日々行っている。
現在は会員数が数百名以上いる仮想通貨コミュニティーTAMARIBAのセミナーやプロコースの講師を務めている。
http://tamari-ba.com/

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